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よっぱらい
 ついったで荒ぶったバーテン親分ネタを投下。
あ、サイトで書いてるのとは全くの別物です。
あれはあれ、これはこれ。
とはいえ、バーテン要素全く生かせてない←
ただの一夜の過ちネタになりました笑
肝心の過ち部分もカット←
そんな残念な感じの西英ですがよろしければ追記からどぞ。




背中でぐーすか寝息を立てている存在が、今日はなぜか少しも気にならない。
その理由は非常に明快だった。
アントーニョは酔っていた。
そうでなければ、常日頃から互いに嫌いだと公言しあっている仲のアーサーを背負ったりなどしない。
あまつさえ、自分の家に連れ帰るだなんて。
アントーニョが経営する店を特別貸し切りにして、悪友と背中のアーサーを交えて飲み始めたのが夕方頃。
慣れ親しんだメンバーで、全員が酒好きということもありペースは大分速かった。
全員が完全に出来上がってからもなお酒盛りは続き、一戦終わった後の戦場のような有様になったところで宴はお開きとなった。
3人は出来上がっているとはいってもなんとか自力で帰れそうだったが、アーサーはいつの間にか熟睡してしまっていた。
仕方がないので店の目と鼻の先のマンションに自宅を構えるアントーニョが引き取ることになったのだ。
こんな話に素直に応じてしまった辺り、相当に酔っていたのだと後にアントーニョは振り返る。
相変わらずちっとも起きる気配のないアーサーを背負ったまま、器用に鍵を開ける。
ただいまー、と大声で誰もいない部屋に向かって言うと、電気を点けた。
とりあえずリビングのソファーに背中の荷物を下ろす。
とはいえ酔っ払い故に加減がうまくできず、ドサッ、という効果音とそれなりの衝撃つきだったが。
そのせいでアーサーも目を覚ましてしまう。
ゆっくりと瞼が開いて現れた緑の瞳は、とろんとしていた。
状況が把握できていない様子でキョロキョロと辺りを見回していたアーサーは、アントーニョの姿を認めるととりあえずこう言った。
「…酒」
「まだ飲むんかい」
思わずフリつきでツッコミを入れてしまう。
アントーニョがそうしてしまうのも無理はなかった。
もうかなりのアルコールを摂取しているのだから。
しかしアーサーの酒コールはやまない。
「いいから酒出せよぉ…エールぅ、エール飲ませろぉ」
舌っ足らずにそう言って手を伸ばしてくる。
その仕草と表情は酷く幼い。
一瞬、何かがきゅんとしたような気がしたのも束の間。
「トマト野郎の癖に酒出さねぇとか生意気だぞ…早くしろよぉ…殴るぞ…」
「もお…しゃあないなぁ…」
アーサーのその言葉に、アントーニョは重い腰を上げた。
言い返したいことは幾つかあったが、酒のせいで頭がうまく回ってくれなかった。
殴ると言ったら殴る、アーサーはそういう男だ。
酔っていてもその一撃がとんでもないダメージを与えてくることを経験上知っていたため、酔った頭はそちらの恐怖を回避することを優先したのだ。
店ほどではないが、酒も道具もある程度揃っている。
さて何を作るか、と考えると同時に、ノンアルコールカクテルにしよう、とアントーニョは決めた。
その辺の理性はまだ残っていたようである。
材料を混ぜ合わせる手はしっかりしていた。
オレンジとグレープフルーツをスライスする動きからは酔いを感じ取ることはできないと思えるくらい。
慣れた手つきで作ったそれを、ソファーに寝そべるアーサーのもとへ持っていった。
「お待たせしました」
「おせぇぞばかぁ」
アントーニョが、トレイを手に膝をついて恭しく頭を下げると、その頭をアーサーが軽く叩いた。
痛がるアントーニョをよそに、アーサーはグラスを奪い取るようにしてちびりと舐めるようにカクテルを口にした。
瞬間、顔をしかめる。
「これ酒か?」
「ノンアルコールカクテルや。それで我慢しぃや」
「ふざけんなぁ!エール持ってこいエール」
どうやらノンアルコール、というのがお気に召さなかったらしく、駄々っ子のように暴れだす。
とりあえずその手からグラスを奪い、アントーニョはため息ひとつ。
「文句はしっかり飲んでから言えや」
その先の行動の理由は、まさに酔っていたから、としか説明できなかった。
アントーニョはグラスの中身を口に含むと、暴れるアーサーの両手を押さえつけた。
そして足の間に無理矢理体を割り入れ、きょとんと幼い表情を晒すアーサーにゆっくりと顔を近付けていく。
触れた唇は、柔らかかった。
そのまま唇を抉じ開け、酒を流し入れる。
始めはいやいやと逃げようとしていたアーサーも、酒をこくりと飲み込んだ頃にはすっかり大人しくなっていた。
とろけたような表情でぼぅっとアントーニョを見つめ、へら、と無邪気に笑う。
「…あまい」
その表情にたまらなくなって、アントーニョはもう1度唇を寄せた。
割り入って、舌を絡める。
あとはもう、なし崩しだった。 

肌寒さで、アントーニョは眠りから覚めた。
とりあえず何か暖のとれるものを、とゆっくりと目を開けたところで視界に入ったものに、目を疑う。
自分の腕を枕に眠っているアーサー。何故か素っ裸。
そして自分も素っ裸。
瞬きを数回繰り返し、寝起きでしかも2日酔いのためにうまく働かない頭を動かし、状況把握に努める。
ピースは音を立ててすぐにハマった。
昨夜の記憶が脳内で再生されたと同時に、アントーニョは青ざめた。
「…ッッッ!」
爽やかな朝に、悲痛な絶叫がこだました。


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酔っ払い紳士の色気をもっと出せたら良かったんですがね…笑
一応、親分が作ってたノンアルコールカクテルは「プッシーキャット」ってやつのつもり。

 

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