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【急募】オチ
 某診断で「アーサーのキスはホワイトチョコ味」という結果が出て、そっから派生したネタです。
殺伐さの欠片もない甘いにも程がある西英です←
お前らツンどこに置いてきた
砂を吐くレベルで甘いですがそれでも良ければ追記からどうぞ


 「…はぁ…」
吐き出されたため息は、思いの外深かった。
全くアントーニョらしくないものである。
あまりすることのないアンニュイな表情で、投げ出された手帳に視線をやる。
カレンダーは2ヶ月前のものだった。
勿論日付の感覚が狂ったとかいうわけではなく、意図的にそのページを開いているのだ。
そのページに書き込まれている予定は、世界会議。
ご丁寧に赤丸までつけられている。
2ヶ月ぶりに恋人に会える行事となれば、浮かれて○で囲んで1週間前からそわそわしてしまっても仕方ないだろう。
冗長な会議が終わるや否や恋人を連れ出して、めいっぱい愛し合った。
そんな2ヶ月ぶりの情熱的な逢瀬はしかし、同時に会えない3ヶ月の幕開けだった。
仕方ないのだ、お互い国という特殊な立場である以上、山のような仕事を抱えている。
それはアントーニョとて嫌というほど理解している。
しかし、しかしだ。
頭で理解しているのに感情がついてくるかと問われれば、答えはNOだ。
アントーニョとしては毎日でも会いたいくらい。
それくらい好きで好きで仕方ないのに、恋人様ときたら仕事に忙殺されてアントーニョのことなど忘れてしまっているかのよう。
電話もメールもすれば返してくれるし、電話が切れる間際、受話器越しのキスを頂いた時には、あまり素直に愛情表現をしてくれない恋人様からの直球のそれに、しばらく心臓がおかしくなったんじゃないかという勢いで高鳴ったものだ。
だがしかし、生身で触れ合うその喜びは何にも勝る。
それに、そうやって愛情を示されると却って恋しさは募る。
有体に言えば、アントーニョは募る慕情を持て余しているのだった。
甘いチュロスをかじりながら、深いため息を吐く。
だがしかし、空腹を満たしはしても、心の隙間までは埋めてくれない。
「…こんなんやない」
それどころか、その甘さが愛しい恋人とのキスを思い出させて隙間はますます広がるばかりだった。
彼とのキスは、例えるならチョコレートのような甘さ。
この世のどんなものより甘くて、魅力的。
加えて彼は世界一のキスのテクニックを持つ。
虜にならない方がおかしい。
チュロスよりもっと甘いキス。
それができるのは、仕事まみれの日々にもう少し耐えた後だ。
アントーニョの口から零れるため息は深く重かった。

数日後。そんな憂鬱などどこかに置き捨ててきたかのような晴れやかな表情で、アントーニョは空港にいた。
それというのも、つい先日、恋人ことアーサーから電話があったのだ。
仕事でそちらに行くので泊まらせてもらってもいいか、という申し出を、断るわけもなく。
興奮気味に快諾したアントーニョに、電話口でアーサーは苦笑していたが、その声音が僅かに弾んでいたのをアントーニョは勿論聞き逃さなかった。
仕事絡みとはいえ、久しぶりに恋人に会える喜びといったら例えようがないほどだ。
おかげでいつもなら遅刻ギリギリに着くことが多いのに、今日は待ち合わせの15分前には到着していた。
周囲に幸せのオーラを振りまきながら、来訪を今か今かと待つ。
彼がどういう状態か問われたら皆が皆、彼は恋人を待っていると正解できるくらいに、浮かれた様子で。
やがて、ゲートからくすんだ金髪が現れる。アーサーだ。
みるみるうちに、アントーニョの顔が輝いた。
ぶんぶんと大きく手を振る。
きょろきょろと周囲を見回していたアーサーが苦笑しつつこちらにやってくるのが視界に入った瞬間、アントーニョは駆け出していた。
そして体当たりするかのような勢いでアーサーに飛びつく。
「アーサー!」
突然抱きつかれたアーサーは驚きつつも、転ばないようにどうにか踏ん張った。
さらに、そのまま頬に唇めがけて熱いキスをかましてこようとする恋人を、どうにか掌で制止した。
「ばかっ…!おま、公衆の面前で何しようとしてんだ」
お預けをくらったアントーニョの方は唇を尖らせて不満げである。
「久しぶりに会ったんやからチューの1つや2つかまへんやろ」
「時と場所を考えろ!」
そんなアントーニョの頭を軽く叩いて、抱きついている腕をべりべりと引き剥がす。
着くまで我慢できないのかよ…などと呟きながら。
仕方なく離れるも不満は消えていないアントーニョだったが、ふと、アーサーの頬が赤く染まっていることに気付く。
照れているだけで、自分と同じ気持ちであると分かった瞬間、今までの不満などどこかへ飛んでいった。
満面の笑みを浮かべると、アーサーに言う。
「しゃーないやん、3か月ぶりやで?アーサーはちゅーしたないの?」
俺はめっちゃしたくてたまらんかった、そう言うとアーサーはますます顔を赤くする。
酸素の足りていない魚のように口をぱくぱくさせて、けれど言葉は口にできなくて。
真っ赤な顔で、あうあうとしているアーサーに、アントーニョはニッと笑った
そして、頬に掠めるような口づけを落とす。
「唇は後でな?」
その言葉に、アーサーの顔はゆでダコのようになった。
何も言えず俯くその仕草は、しかし恥ずかしいのと嬉しいのとの混ざったものだと知っているから、アントーニョの顔から笑みは消えない。
そのままアーサーの白い手を取ると、出口へと向かって駆け出した。

駐車場に止めてあった車に、滑り込むようにして乗り込む。
シートベルトを締め、エンジンをかけようとしたところで、アントーニョの手に白い手が重ねられた。
「アーサー?」
常より熱を持った手が、触れる。
その何気ないことにすら高揚を覚える自分を感じつつ、アントーニョはアーサーの顔を覗き込んだ。
瞬間、唇に広がる甘さ。
触れ合ったのはほんの一瞬、しかしその一瞬で熱が全身を駆け巡った。
「…お前が、後でっつったんだろ」
「ほんまにお前って奴は…」
そう呟くように言って、ふいとアーサーが顔を反らす。
その顎を取って、今度はアントーニョの方からキスをしかけた。
「3ヶ月分、覚悟しとき?」


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オチが行方不明\(^o^)/
ちなみに同じ診断では親分のキスの味はコーラ味でした笑
弾ける炭酸刺激的!←
そしてメリカはチョコミントアイス味でした何それかわいい…
米英でも書きたいですね…

| 小話 | 22:35 | comments(0) | trackbacks(0)
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